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本のレビュー「人生の主導権を取り戻す 「早起き」の技術」 著:古川武士

イントロダクション

こんにちは!プロダクトデザイナーのTANUKIです。


このサイトは、会社員デザイナーのキャリアアップのために、転職や昇進に必要なスキル向上に注目しています。本を読むことは、専門知識以外にも多くの面で有益であり、読書の継続を推奨します!ここでは、要約ではなく、どのように役立つかを中心に本を紹介したいと思います。

本を読むことは、著者が時間を掛けて得たものを短時間でインプットできる大変な時短です。キャリアアップやライフハックに必ず効きます。もっと時短したい、作業しながら本を読みたい場合はオーディブルで聴くのもひとつかもしれません。

本の概要

今回は、「人生の主導権を取り戻す 「早起き」の技術」です。発行されたのは2015年です。一言で言うと早起きができる様にしてくれる本です。実際、早起きをすると何が良いのか?早起きするためには何が必要なのかを教えてくれます。著者の古川武士さんは習慣化コンサルタントとして500人以上のビジネスパーソンに早起きの習慣化を支援されてきた方で、そのご経験がありありと感じられる本の内容になっています。

昨今、自己啓発本などでよく言われるのが、何かを習得するために行動を変えるには「気合いやモチベーション(やる気)に頼らず、習慣化せよ」です。これは気持ちに頼って何かを継続してやろうとしても続かないと言うことです。気持ちには波がありますし、イレギュラーな出来事で予定が狂ってしまうことがあります。そんな時に習慣化をしておけば気持ちとは関係なく自動化して継続することができると言うのです。例えば歯磨きやお風呂に入るなどは皆さん習慣化されていると思います。なかなか、「仕事が遅かったあの日から1年歯を磨いてないや」とか「お風呂に入ろうと思ったんだけど、3日しかつづかなくてね、、、」なんて居たとしてもかなり少数派だと思います。それは歯磨きやお風呂が習慣化されており、数日できないことがあってもまた再開できるのです。やらないと「気持ち悪い」になっていると言うことです。しかし、一方で英語の学習を続けよう!と思っても、いつの間にか勉強しようと思ったことさえ忘れてしまうことも多いと思います。この様に重要さは昨今騒がれているけれどハードルが高いのが習慣化です。

本書では早起きにフォーカスしていますが、タイトルにもある様に「人生の主導権を取り戻す」ことができるベーシックな習慣が「早起き」だと教えてくれています。

英語学習については当サイトでも時折触れていますが、習慣化するのに役立つ教えがあると思います、また過去にレビューした下記のホリエモンさんの著書も英語学習や、新しいことを始めるベースになる行動力についてまなべるので掲載しておきます。

それでは本書の良かった点やわかったことをご紹介いたします。

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「多くの人が会社の時間に起こされている」

本書の「はじめに」の部分のこの言葉が当てはまる人も多いと思います。

学生時代から学校に間に合うために起き、社会人になってからは始業時間に間に合う様に起きている人生を私も送ってきました。私の場合は英語学習をきっかけに朝型になったのですが、それまでは始業に間に合うギリギリに起きては急いで支度して、朝食も食べずに会社に向かい満員電車で消耗し、駅から会社まで走り汗だくで出社というパターンでした。若い頃の話なので、まだまだ手書きの紙の資料が多く書こうと思ったら汗だくの手に紙が貼り付いて思う様に書けないと言う本当に非効率極まりない1日の始まりを迎えていました。

本書には3人の朝起きれない事例が掲載されていますし、著者も過去には会社の時間に起こされていたことを語っています。これは本当に誰にでもあることだと思います。

会社の時間に起こされている=受動的に1日を始めているということが言えるそうです。能動的に自分で決めた時間に起き、朝余裕を持って1日を始めることで人生は変わっていくと言うのですから大変なメリットがあります。それが、しかも30分早起きするだけで人生の主導権を自分で握れると言うのですからハードルもそんなに高く感じません。本の中にも出てきますが、一気に朝5時に起きよう!とか高い目標に到達しようとするのではなく「ベビーステップ」(赤ちゃんの足取り)と呼ばれる、非常に簡単にできる改善から達成していくのが成功への近道だと説かれています。

「習慣引力」

なぜ、早起きは続かないのか?という章では、著者の「30日で人生が変わる「続ける」習慣」という本に出てくる「習慣引力」というものが続かない原因になっていると言うのです。習慣引力とは「いつも通り」を維持する様に人間はできていると言うもので、安心安全を求めるために変わったことや新しいことは排除していくメカニズムのことです。

これはなんとも想像しやすいですね。学生時代に期末試験などに向けて夕食後に試験まで勉強しようと思っても、なかなか手につかない。そして試験の数日前になると焦りが生じて猛烈に勉強するものの、もちろん勉強量が足りず試験はいまひとつ。その後、教訓を生かして勉強を続けるものの、引力に引っ張られる様に元の勉強しない自分に戻っているのです。まさに見えない引力に引っ張られている様です。これは私の体験ですが、まさに試験の直前のモチベーションに頼っており、習慣化できていない状態です。本書では早起きの続かない原因つまり、習慣引力に引っ張られてしまう「挫折原因」を具体的に8個挙げており、それに対応する「5つの原則」を早起きの技術として提示しています。

その中の一つを取り上げると以下のものです。

挫折原因:起きる時間だけを目標にしている

原則:起きる時間ではなく寝る時間に集中する

これは、早起きしようと思った人のほとんどが「5時に起きる!」などとアラームをセットするのがほとんどだと思います。もう何十年も前にテレビで聴いたことですが、出演していた芸能人が俳優の哀○翔さんが早起きだと言うことで、「なんで自分は早起きできないんですかね?」と聞いたところ「早く寝ねぇからだよ」と言われたという笑い話を思い出しましたが、これは非常に論理的です。きっと、思いつきではなくビジネスパーソンの早起き問題に直面する中で課題に対して、原因を突き止め解決してきた著者の真因を突く結論だと思います。起きる前にすでに勝敗は決まっていると言うことですね。こういった改善するために問題を探す手法は下記の本でも紹介されていますが、この本でもそういった著者の指南する早起きの技術がそういった経験だけでなくよく論理的な思考で支えられていることが感じられます。納得感を持って読むことができます、是非手に取って他の挫折原因と原則についてもチェックしてみてください。

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ノウハウだけでなく「早起き」の実行ステップも学べる

挫折原因と基本原則をベースに早起きするためのノウハウを学べる本書ですが、本当の凄さはここからです。普通の本であればノウハウを語ってあとは実行するのみ!と読後感気持ちよく終わり、習慣引力によって全く読前と自分が何も変わらないのですがこの本は、実行するためのステップも学べます。それは「理想の生活」「現在の生活」の1日を比較しギャップを確認してその原因を突き止め対策するものです。こちらもわかりやすく3人の事例が掲載されており再現性が高い内容になっています。そしてもう一つ驚かされたのは、そもそも帰るのが遅いのは残業をして遅くまで働いている、そうすると寝不足で朝起きれない、朝の生産性の高い自分を活かせない、また残業する。という負のループを抜け出すために業務の効率化も教えてくれます。もちろん、業務効率化の啓発本ではないので1章にとどまる内調ですが、逆にそれが良かったです。端的で分かり易く記憶に残りやすいです。シングルタスクで集中すること時間簿をつけて圧縮できる時間を見つけることなど、どれも先ほどと同じで論理的で真因をついたものになっています。

ひとこと感想

すべてが好転する学びがあります

まとめと次の読書に向けて

「人生の主導権を取り戻す 「早起き」の技術」は読了まで2時間程度でした。
各項目は短く端的なので、サクサク読み進められます。著者が膨大な時間をかけてまとめた知識を2時間程度で吸収できるのですから大変なタイパ、時短になります。

ぜひ、皆様もお手に取っていただければ幸いです。