Career/Job Change

「現職と採用通知の企業を比較して転職すべきか」40代向け

40代で現職に不満がない状況でも、会社が傾くことや生活環境の変化でいつ転職を余儀なくされるかは予想ができません。転職サイトに自分のプロフィールを登録し、時には面接を受けて企業と話しておくことはいざという時の為にも現職の価値を再確認するにも有用です。私の場合は自分の市場価値を確かめる為にスカウトを受けた中で面接まで進み、採用通知をもらった企業に転職をしました。不満がない中で現職と採用通知の企業を比較し、転職すべきかどうかを判断する手法をご紹介します。

1. 今回の転職で獲得したいキャリアゴールを確認

まず第一に、キャリアのゴールを明確にすることが肝要です。現在の仕事や応募中の企業のポジションや業務内容が、将来の目指す方向性と適合しているかを吟味してみましょう。どちらの選択が、あなたのキャリアに相応しいものか、じっくりと熟考してみる価値があります。また、40代という年齢では、今までの経験や知識と全く無縁の業界や職種に未経験から転職するのは、求人企業側からも難しいと受け取られることも考慮すべきです。経済的に大いなる余裕を持っていない限り、職位の下落によって生活水準が維持しがたくなる可能性があります。この点を踏まえつつ、職位や収入の向上を意識して検討してみましょう。

もちろん、人生における目標はそれだけではありませんが、現職と応募企業との比較は、判断の一助となる要素の一つです。

もし現在、管理職であるのなら、同じレベルか、もしくはそれ以上の上級職への転職を模索するのが適切です。これは、特に実務業務への復帰の意志が強くない場合には、人を導く立場である管理職のポジションを離れることは、給与面での妥協を意味することからくるものです。

一方で、現在まだ管理職でない場合、次期管理職の候補として受け入れてくれる企業に入社することも一つの道です。あるいは、新設部署のスタートアップなど、将来の管理職昇進への橋渡しとなる要因を重視して、転職先を選ぶのも賢明です。こうすることで、キャリアのアップデートや収入の増大につながるチャンスを手に入れることができるでしょう。

ここで大切なのは、提示された年収だけでなく、現在の職位との対比や今後の昇進の見込み、また職位を獲得しやすい条件などを総合的に考慮し、比較検討することです。

2. 待遇や福利厚生の比較

現在の職場と、新しい求人先の企業の待遇や福祉制度を比べてみましょう。給与だけでなく、ボーナスや昇給のポリシー、さまざまな手当、保険などもしっかり確認します。また、通勤手段や勤務時間など、働く上での利便性も考慮してみましょう。

収入の増減には、企業の規模やポジションの違いが大きな影響を与えます。その中でも特に通勤時間に焦点を当ててみましょう。転職に伴って住まいを変えることができる場合は問題ありませんが、そうでない場合は通勤時間が長すぎないか検討することが重要です。

通勤時間が短いと、自分自身の時間をより多く有効活用できます。これまで通勤時間を学習に費やしていた方は、通勤時間の減少により成長のスピードが減退するのではないかと心配されるかもしれません。しかし、会社への移動時間が短縮されれば、自宅でも学ぶ時間を確保することができます。また、移動中に集中して作業できる方は、逆に移動時間を有効活用することもできるでしょう。

通勤時間を年間で考えてみると、 1日=60分 × 2(往復)=120分(2時間)を月に20日行った場合、月に40時間を通勤に充てることになります。 また、年間で考えると40時間/月 × 12ヶ月=480時間も通勤に費やすことになります。もし、この480時間を半分に減らせるならば、 240時間が年間を通じて自己投資や趣味に使える時間となります。この240時間は大変価値のあるものです。

通勤時間を見直すことで、自分の生活をより豊かにし、成長や充実感を得ることができるかもしれません。

3. 企業文化と価値観の合致

現職と新しい求人先の企業の文化や価値観が、あなた自身と調和するかどうかも大切なポイントです。どちらの企業の指針や雰囲気に、あなたが共感できるかどうか、成長や貢献の場が提供されているかを考えてみましょう。

以下の記事では、企業文化を見極める際のアプローチについて触れていますので、ご一読いただければと思います。

応募先企業の文化を知る方法 こんにちは、40代の転職希望者の皆さん。新たなキャリアチャレンジを考える際、転職先企業の文化や風土を知ることは重要です。今回は、転職先...

4. スキルやキャリアアップの機会

転職を考える際、新しい職場でのスキルアップとキャリア成長のチャンスをしっかりと考えることが大切です。自分の成長を見据えながら、現在の仕事との比較や将来のビジョンを考えることが重要です。では、具体的にどのような観点で比較すれば良いのでしょうか。

スキルの獲得機会を見極める

転職先と現職、どちらの企業でより多くのスキルや経験を身につけられるかを見ていきましょう。自分のスキル向上のための取り組みや、新しいスキルを得る機会がどれだけあるかを確認します。さらに、転職先が新しいテクノロジーやアプローチを積極的に取り入れている場合、そこで関連スキルを磨くことができるでしょう。

キャリアの成長見込みを探る

現職と転職先の両方で、どのようなキャリアアップの機会が待っているかを考えます。現職での昇進や昇給の可能性はどうでしょうか。転職先でも同様のチャンスが提供されるか、それに加えてスピーディなキャリアアップが期待できるかを見極めます。また、これまで築いてきたネットワークや人間関係が、キャリアアップの際にどれだけ役立つかも考慮しましょう。

新たな視野を広げる可能性を考える

転職によって、自分の視野をどれだけ広げられるかも大切です。異なる職種や業界への移行によって、新しいビジネスや業界の仕組みを学ぶチャンスが広がるかもしれません。特に、国際展開をしている企業での転職の場合、国際的なビジネスの理解や洞察を得る機会も増えるでしょう。

これらの視点を考慮しながら、現職と転職先の選択を進めてみましょう。将来の成長やアクションの方向性を見極めるために、予測に基づいてじっくりと検討してみることが大切です。

5. 未来の展望を見極め

企業の未来の展望や業績も考慮すべきポイントです。採用通知の企業が成長分野に位置しているか、業界の動向を確認し、安定性や発展性を見極めることが重要です。業界の市場規模の変遷を見ることで、将来の方向性を予測できるでしょう。極端な例ですが、ガラケーを製造しているメーカーがスマホ全盛の現在において市場規模が縮小していることは明らかです。将来的な拡大の可能性を見極め、企業の持続性を考えましょう。

しかしながら、長期的な就業を予定していない業界であれば、自身が求めるスキルや経験が存在するかどうかが重要な判断材料となります。同じ企業での長期的なキャリアを描いているのか、異なる企業を経験することを考えているのか、それとも自身のスキルセットを生かして独立事業を起こすのかによって、将来の展望を評価する基準は変わります。

また、40代以降の方の場合は今後の在籍年数の少なさから転職自体を難しいと思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし現代では、転職の年齢上限は人やスキルによって曖昧です。以前は35歳が転職の限界と言われましたが、実際に私は40代で転職し、給与も向上させました。さらに、私の先輩の中には50代でも転職に成功した方がいます。年齢にとらわれず、在籍期間が短い分PDCAのスパンを短く設定して、現在の仕事や転職先で1年後や2年後にどのような成果や展望を持ちたいのかを考えることで、少ない期間においても未来の見通しを持つことができます。

6. 周囲の意見を聞く

友人や家族、信頼できる同僚など、周囲の人々の意見も参考にしましょう。客観的な視点からのアドバイスは、冷静な判断材料となることでしょう。

しかし、個人的な見解なので人に寄りますが、やる後悔とやらない後悔であればやる後悔をお勧めします。周囲の人は親身になっていても、その人の背景を元に考えていることが多くあなたが考慮すべきだと思う内容の重要度があなたとは異なります。良し悪しではなく、自分の判断が必要です。

一方、家族には影響が少なからずありますので相談しておき、最大限意見を尊重することをお勧めします。お子さんがいらっしゃれば学校の問題や奥様が就業されていれば仕事を続けられるのかなどの条件を比較しておくと良いでしょう。

またこういった場合に私が活用したサービスとしてライフプランナーの収入と支出のバランスを加味したライフプランの予測です。子供が何歳の時にいくらかかって、収入や貯蓄はいくらなのか?といったことを想定してくれます。

私の場合は保険会社のライフプランナーに現職の収入がある一定の路線で昇給した場合と、転職候補先の給与水準になった場合を比較して問題ないか確認してもらうことをしました。サービスに各社や担当者によっても異なると思いますが相談してみるのは一つの手だと思います。

7. 自己成長とチャレンジの意欲

最後に、どちらの選択が自己成長や新たなチャレンジの意欲をかきたてるかを考えてみましょう。成長のチャンスや新しいことへの挑戦への欲求が、転職の意思決定に影響を与える要因となります。

ここも個人の志向によって大きく異なる部分です。変化を好まない安定志向の方は、リスクを取りたくない気持ちから現職を選ぶことがあるでしょう。しかし同時に、現職の人事異動によって状況が悪化する可能性や、事業環境の変化によって収入が減少するリスクも念頭におく必要があります。どの企業も安定しているわけではないことを考えつつ、不満がない状態であっても転職サイトにプロフィールを登録し、スカウトを受け入れてみることは重要です。気になるオファーがあれば、話を聞いてみることが大切です。

結論

転職を検討する40代の男性の皆さんへ、現職が満足であるとしても、将来の不確定要素や変化を考えて転職サイトにプロフィールを登録することをおすすめします。将来のためにも、以下のポイントを考えてみましょう。

  1. キャリアゴールの確認: 自身のキャリアゴールを明確にし、現在の仕事や応募企業の方針と適合しているかを検討しましょう。将来に向けた方向性を考えることが重要です。
  2. 待遇と福利厚生の比較: 給与だけでなく、ボーナスや昇給の方針、手当、保険などを比較し、将来の生活の質を考慮してください。通勤時間の短縮による自己投資の時間も大切です。
  3. 企業文化と価値観の合致: 現職と応募企業の文化や価値観が自身と合致するか確認し、成長や貢献の場が提供されているか考えてみましょう。
  4. スキルとキャリアアップの機会: 新しい職場でのスキル獲得とキャリア成長の機会を比較し、自身の成長を見据えた判断をしましょう。
  5. 未来の展望の確認: 企業の将来展望や業績を考慮し、成長分野や安定性を見極めて、将来の可能性を考えるポイントです。
  6. 周囲の意見を参考に: 友人や家族の意見を聞きつつも、自分の価値観と目標を大切にして判断しましょう。
  7. 自己成長とチャレンジの意欲: 自己成長や新たなチャレンジへの意欲を考え、不満がない状態でもスカウトを受け入れ、話を聞くことが重要です。

40代の皆さんは、将来のために積極的なステップを踏むことで、自身のキャリアと成長をより豊かなものにするチャンスを手に入れることができます。現職との比較を通じて、自身の未来を見極める方法を活用してみましょう。