Career/Job Change

企業デザイナーのワークライフバランス実現ヒント

デザイナーは遅くまで残業してるのが当たり前?

仕事とプライベートのバランスを取ることはどちらも充実させるために重要です。現在、プロダクトデザイナーをしている私は残業をほぼしていません。そのため、子供や家族、友人と過ごす時間を大幅に増やすことが出来ました。この記事がワークライフバランスの実現に向けたヒントになれば幸いです。まずは考え方から整理します、よく耳にする「デザイナーはずっとデザイナーでオンオフは無い」という考え方から見直してみます。もちろん、土日も定時後もデザイナーはデザイナーですので、日常生活や遊びの中から仕事のヒントが見つかることもあります。ここが厄介なところで、自分で公私混同を始めてしまうのです。時間の使い方に公私の境がなくなってしまうと残業時間まで折り込みで納期設定してしまうのです。最初からこれでは残業してしまうのは当たり前です。そして、定時内の時間の使い方も甘いものになってしまいます。甘くなってしまうと「残業すればいいや」「朝早く来て頑張ろう」「土日に家でやればいいや」など残業以外の時間も使い始めてしまうことがあります。なぜ、このようなことが起きるのか?それはデザイナーの場合多くの人が好きでこの仕事に就いていることが多いので、時間外に仕事をすることに嫌悪感を抱きにくいのです。

しかし、企業側から考えると残業は少なく成果が上がることが望ましいのです。遅かれ早かれデザイナーの残業やサービス残業(働いているのにカウントしていない)ことは問題になります。また個人としても子供や家族に時間を投資するよりも本当に仕事に時間を投資した方が良いのか考えた方が良いと思います。企業はいずれ定年が来ます。家族は一生です。決められた時間で仕事をし、残業に対してもしっかり嫌悪感を持って接することが企業側にも個人にもWinWinの関係です。職場によっては残業している方が頑張っている、みんな残業しているという文化もあるかもしれません。AIの進化が目覚ましい現在、作業等で残業することは様々な職種で増えていますので、いずれそういった文化は絶滅すると思います。仕事は短く済ませた方が良いのです。もし、しばらくは変わらない場合は異動や転職を考えてみるのも一つです。

ワークライフバランスの意義とメリット

エネルギーの維持: ワークライフバランスを保つことで、仕事だけでなくプライベートな活動にもエネルギーを割り当てることができます。十分な休息を得ることで、仕事への集中力や効率が向上します。デザイナーの場合アウトプットし続けるとネタが無くなったり、いつまでも古いトレンドを使い続けていることになりかねません。クオリティ維持のためにもしっかり個人の時間を確保しエネルギーの確保に備えましょう。

ストレス軽減: 過度な労働によるストレスはパフォーマンスを低下させる原因となります。以前、残業をたくさんしていた頃は四季を感じなることがありました。仕事をしていた時に花が咲いていたか?暑かったか?など覚えていないのです。四季も感じないような感受性のデザイナーが情緒的価値を生み出せるはずもなく成果につながらなかった印象があります。ワークライフバランスを保つことでストレスを軽減できます。ストレスが減ることで、冷静な判断力や問題解決能力が高まります。現在の残業がない状態の方が成果が出やすいと感じています。

モチベーションの維持: ワークライフバランスを大切にすることで、仕事へのモチベーションが向上します。デザイナーにとって新しい経験や遊びの中からヒントを得ることは重要なインプットになります。いつも同じメンバーと会話して、同じ人と同じ社食で同じものを食べていては同じようなものしか生まれなくなります。職場の外で掴んできた一次情報こそが自分しかできない仕事につながります。達成感や充実感を得るだけでなく、プライベートの楽しみも持つことで、仕事への取り組みが前向きになります。

ワークライフバランスのアプローチと実践

効果的な時間管理とタスクの優先順位の設定方法を解説したいと思います。

時間管理

仕事とプライベートの両立を図るためにまずは時間管理のポイントに焦点を当てます。まず、前日から時間管理は始まっています。翌日の会議は何か?準備するものは何か?そうすると会議と会議の合間にやらなければいけないことが浮かぶと思います。迷わずアウトルックの予定表などに作業を書き入れましょう。他の会議が後から入ることを防ぐことが出来ます。必要なタスクは午前中の時間を使うことをお勧めします。午後の時間に期待すると、1日を過ごす中で最後にやっていないことをやる形になるので不測の事態や体調不良などで予定がずれて予定した作業に時間を取れない可能性があるからです。貯金に似ていますが、給与が入金されたら最初に貯金分を引いてしまい、残りで生活することで確実な貯金ができるというものです。皆さんもご経験あるのではないでしょうか?時間についても天引き式で時間管理に努めてください。

優先順位の設定

各タスクの優先順位ですが、下記のような表を作って考えます。

重要度が高い/緊急案件重要度が高い/長期案件
重要度が低く/緊急案件重要度が低く/長期案件
優先順位が高いのはどれでしょう?もちろん左上の象限になる「重要度が高い/緊急案件」です。重要で納期が短いのですからとにかく手をつける必要があります。次点はなんでしょうか?「重要度が低く/緊急案件」と「重要度が高い/長期案件」でお悩みの方もいるのではないでしょうか?私の回答は「重要度が高い/長期案件」です。なぜなら重要度が高く長期的に取り組まなかればいけないものもなるべく早く手をつける必要があるからです。では、重要度が低いものはどうするのか?まとまった時間が取れない会議の間などに手をつけます。手は空いている時に何も考えずに手をつけます。そうすると重要度の高いタスクの時間を削らずに推進することが出来ます。また、重要度が低いものは納期の再設定や中止も考えられることが多いと思います。自分が職制でない場合は上司に上記の表を見せて、仕事の取捨選択をされても良いと思います。上司と優先順位の認識が合っていれば、たとえ納期の再設定や対応の検討する場合も同意が得やすく、重要な仕事に集中できる時間を確保することが出来ます。

バランスを保つためのマインドセット

フレキシブルなアプローチ
バランスを保つためのマインドセットとして心がけたいのが、思い通りの時間管理や優先順位づけが出来なかった場合に自分を責めないことです。自分を責めてしまうと後悔に時間と頭を使ってしまい、なかなかスケジュール管理やタスクの優先順位づけの習慣化ができずに漫然と仕事を進める状態に戻ってしまいます。うまくいかなかった時には「こんな日もあってもいい」とポジティブに何も気負いすることなく翌日、時間管理を再挑戦すれば良いと考えましょう。真面目な人ほど完璧主義にハマってしまい続けられなかったことを苦に感じてしまいますが、全く気にしないことを心がけましょう。

充実の人生への一歩

就職して20年の間には、徹夜もしながらPCの前に座り続ける仕事もありました。しかし、昨今は朝早く起きて自分のために時間を使い、夜も残業はよっぽどのことがない限りせずに夕飯を家族と食べて夜は早く眠る様になってパフォーマンスの向上を感じますし、何かトラブルがあった際の余裕が持てることを実感しています。是非上記の中にヒントがあれば幸いです。